複雑
2024/09/10
毎朝5時に目が覚めてしまうマダム明子。
きのこが私を待っていると言って今日も行く。
完全にとりつかれている。覚醒している。
もう充分あるよ。と私が言う。
そういう問題じゃない。狩りがしたい。こんな楽しいことはない!
Bzのコンサートくらい興奮するっ!と明子は言う。
もう、ここまでくると何も言うことはない。
そんな明子とは対照的にちょっと冷めている私。
あまりの量の多さに、さて、どう保存、処理、掃除、加工しようか?
そっちの現実的な方で頭がいっぱいで、一緒に行きたかったなぁなんて1ミリも思わない自分がいる。
採ってきたからにはちゃんと成仏させないと。というプレッシャーの方が勝ってしまって素直に喜べない。
明子のテンションが上がるほど僕は冷静になってしまう。
きのこを必死に採ってくる明子。きのこを必死に成仏させる私。
同じきのこを愛する二人の間に温度差が生じている。
明子、すごい!よくこんなに採ってきたね。おめでとう。
そう素直に喜べる日が来るのだろうか。