甘みの罠

甘みの罠


また雪が降った。

3月が一番冬らしく感じる。

寒締めほうれん草やキャベツが今頃になって甘く感じる。

甘いものは美味しく感じる。


日本人は甘いものが好きな民族である。

照り焼きソース、鰻丼のたれ、鯖のみりん干し、鰈の煮つけなどなど。

和食には砂糖を使う料理が多い。

イタリア料理には味付けとして砂糖を使うことがあまりない。

ピクルス作る時に入れるくらいかな。

イタリア料理を美味しく作る上で肝となるのが素材の甘さということになる。

僕も日本人なので甘みのある料理は好きだし、甘みのある料理(皿)を意識して作っている。

が、しかしそこだけを意識して作るのは、とても危ない。

甘みというのは、最初は美味しく感じるのだが、食べ進んでいくと飽きてきたり疲れてきたり

お腹も早い段階で満たされてしまう。

塩味が強い場合も同じことが言える。

だからコース料理の一品一品の味付けというのは本当に難しいし繊細なのである。


因みに酸味というは食欲を増進させるものなので僕はコースの前半に意図的に入れている。

後半には甘めの赤ワインソースだったり、人参やかぼちゃのピューレを添えたり、、、。

そうすることで最後まで美味しく食べられるんじゃないかなぁと。


美味しい店って酸味、塩味、甘味の塩梅が絶妙だなぁって思う。